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サブカルチャー評論/レビュー/日常

『俺の彼女と幼馴染が修羅場すぎる』第6話での元カノの役割

 5話で登場した新ヒロイン、姫。彼女は主人公の「元カノ」と主張します。元カノのここでの役割は3人(主人公/幼馴染/彼女)の等価な関係をぶち壊す事にありました。ではそれによって何が起こるか?そう、ようやく「彼女」が動き始めるのです。


境界線が切り取るもの=空間

 いままでの記事では境界線(フレーム)について触れてきました。もちろんそれは心理的な境界線ですが、もう一つ。物理的な境界線でもあります。境界線が切り取ることで出来上がるものが「空間」です。有名な概念にクローズド・サークルというものがありますが、それも境界線が切り取った空間と言えます。境界線が心理的な壁を示すのであれば、空間は心理の共有を示します。ここまで説明すると、6話の物語の構造がスッキリと見えてきます。
 ちなみに、俺修羅で出てくる「空間」は「部室」「教室」「テラス」「プール」「学校」「家」「部屋」がメインだと思われます。ここ、テストに出ます


孤独の体現者、元カノ

 彼女は孤独である。灰色の世界に生きてきた彼女。それを救ったのが主人公である。と、ここまでは本編の通り。多彩な演出で鮮やかに表現されています。では先の「空間」の視点で見るとどうなるのか。まず元カノが「教室」で一人きりのシーンが挿入されます。これは明らかに「心理を共有する相手がいない」ことを示しています。そこから「部室」で主人公と元カノが二人きりであるシーンへと入ります。更にそこへ入れない幼馴染と彼女のツーショットカット。もう、言わずもがなですね。この時点ではまだ、主人公と元カノという二人の関係のみが結ばれます。


外敵の存在に叫び、孤独を否定する元カノ

 「学校」への闖入者、彼女の妹。彼女の妹は「外敵」として視聴者に認識されます。その外敵に屈する彼女。屈しない元カノ。元カノは叫び、それに感化され彼女が動き始めます。外敵に屈さず立ち向かうことを宣言するのです。これほどの心理的な動きを彼女が見せたのは今回が初めて。第6話にしてやっと、彼女に変化が見えるのです。これが今回の元カノの一つ目の役割
 では二つ目は?それは孤独の否定者としての役割です。元カノは孤独でした。しかし主人公により救われた。ここで改めて振り返ると、幼馴染も彼女も、実は孤独だったことがわかります。でも今は違う。「部室」という「空間」で部活をする事で孤独ではなくなるのです。


まとめ
・「境界線」から「空間」へ解釈を広げると、より多くのことが見えてくる
・『俺修羅』は孤独に立ち向かう物語である
 今回は「空間」と一貫して表現しましたが、よりふさわしい言葉があります。それは「居場所」。それぞれがそれぞれの「居場所」を求める物語。それが『俺修羅』なのです。第6話でかなりハッキリしてきた物語性が、以後どう動いていくのか。非常に楽しみです。ではまた第7話にて。